山本雄教展

〇〇〇〇円の芸術家

YUKYO YAMAMOTO - Artist of ○○○○ yen -

会期

作家在廊日

場所

山本雄教「5874円の芸術家」178.0×132.0cm 

良し悪しや上下をつけることが難しい美術作品ですが、こと値段だけでいえばそこには明確な上下があります。現存作家の場合、例えば日本では号〇万円というような形で、まるで各作家の戦闘力かのようにその数字が露わになります。

近代の洋画を主に扱ってこられた至峰堂画廊には、美術館で度々目にするような巨匠たちの作品が飾られています。そして美術館との大きな違いは、その作品に値段がつき販売されているということです。
その中に混ざって私の作品も飾っていただくこともあるのですが、値段を見るとその戦闘力はフリーザに睨まれた地球人のごとく、巨匠のデコピン一発で吹き飛んでしまいそうなほど差は歴然です。

そんな既に歴史に名を残している巨匠たちの作品と、これから価値を生み出さんとする私のような作家の作品が、フラットに並び立つのがアートの面白いところです。しかし一方で、その価値の違いが作品の見え方に影響をおよぼすことも事実でしょう。私のような俗っぽい人間は、先に値段を知ってしまうと、途端にその作品の内容をフラットに見ることが難しくなることがあります。

「〇〇〇〇円の芸術家」と題した今展では、巨匠の肖像を元にした一円硬貨のフロッタージュによる私の作品と、モデルにした巨匠たちの作品が会場に並びます。肖像作品のサイズは、巨匠たちの実際の作品価格を元にし、高額であればあるほど画面は大きくなり鮮明に、例えば私のような場合は小さくなり朧げになります。そしてサイズにより自ずと硬貨の使用枚数も変化し、タイトルの「〇〇〇〇円の~」という部分に反映されます。

各作家の作品価値の違いが、そのまま肖像の存在感の違いとなって露わになる空間を、巨匠たちの珠玉の作品と共にぜひお楽しみいただければ幸いです。

山本 雄教

Yukyo Yamamoto

展覧会の見どころ

山本雄教「5874円の芸術家」178.0×132.0cm 

「5874円の芸術家」

山本雄教

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
 178.0×132.0cm 2022年

通貨を使用して表現された絵画

一円硬貨は、私たちが使用する硬貨の中で最も小さな単位であり、身近な硬貨です。
そんな一円硬貨をフロッタージュして山本が制作する作品は、使用する硬貨の枚数が増えるほどサイズが大きくなることでより詳細な表現が可能になり、逆に使用枚数が減るほどサイズが小さくなり描かれた対象が荒く、朧気に表現されます。
その様子は、為替などに見られるような日々移り変わっていく通貨の変化にも通じていきます。

日本近代洋画の巨匠の作品とその肖像

本展覧会では、岡田三郎助、梅原龍三郎、須田国太郎といった日本洋画の黄金期を築いた巨匠たちの珠玉の作品と、一円硬貨のフロッタージュで表現された山本による巨匠たちの肖像画を並べて展示いたします。
時代の異なる作家が同じ場に立つことは叶いませんが、美術作品を介することで時代を越え、近代と現代が混ざり合う空間をお楽しみいただけます。また、肖像画を通じて巨匠たちと対面する感覚も味わえるかもしれません。

岡田三郎助「裸婦」SM 額なし

「裸婦」

岡田三郎助

油彩
22.9×15.7cm 1932年

大きさで視覚化されたアートの価値

美術作品の価値を測る一つの目安として、分かりやすいものは価格でしょう。
時間の流れによる価格の変化もあったと推測されますが、近代巨匠たちの作品には驚きの値がつくこともしばしばあります。
一円硬貨で表現された巨匠たちの肖像は、彼らの作品の価格に応じて使用する硬貨の枚数が変化します。作品の価格が高い作家ほど、硬貨の数が増え、肖像のサイズも大きく、詳細に表現されるのです。
美術作品の価格との相関性を、身近な一円硬貨を用いたフロッタージュで浮き彫りにした新しい試みを是非ご覧ください。

山本雄教「63円の芸術家」 絵のみ2軽量版

「63円の芸術家」

山本雄教

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
18.0×14.0cm 2022年

展示作品

5874円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
178.0×132.0cm

7360円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
160.0×184.0cm

4176円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
144.0×116.0cm

3685円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
134.0×110.0cm

2100円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
100.0×84.0cm

1665円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
90.0×74.0cm

1470円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
84.0×70.0cm

520円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
53.0×41.0cm

146円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
33.3×24.2cm

63円の芸術家

麻紙、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
18.0×14.0cm

971円の画商

麻紙、金属箔、鉛筆、一円硬貨のフロッタージュ
72.7×60.0cm

山本雄教

Yukyo Yamamoto

山本雄教|近影

1988年京都府生まれ。2013年京都造形芸術大学大学院修士課程修了。

一円玉や米粒といった身近で些細な存在を用いて、様々な事物を表現してきた山本雄教。「すぐそこにあるものこそが、あらゆるものにつながっている」という作家の世界観のもと、日常的な価値観や現代社会とのつながりを見つめ直す。国内外でのアートフェアやギャラリーで徐々に存在感を示し始め、数々の賞を受ける注目の作家。

略歴

1988年

京都府出身

2010年

成安造形大学 日本画クラス卒業

2011年

成安造形大学 研究生修了

2013年

京都造形芸術大学大学院修士課程修了

主な個展

2013年

「What is there コメをみる※コメにみる」(gallery PARC/京都)

2014年

「How is this connected to that?」(つくるビル/京都)

2015年

「EXCHANGE」(gallery maronie/京都)

2016年

「Fake blues」(+1art/大阪)

2017年

「見立てと反復」(ギャラリー和田/東京)
「×××× 円の人」(ギャラリー恵風/京都)
「THE PEOPLE」(大雅堂/京都)

2018年

「青いテントと五つの輪」(YOD Gallery/大阪)

2021年

「豊穣の空洞」(KAGANHOTEL- 河岸ホテル/京都)

2022年

「How much?」(Artglorieux GALLERY OF OSAKA /大阪)

主なグループ展

2012年

「画心展selection vol.2」(佐藤美術館/東京、康耀堂美術館/長野) 同’ 13
「ASIA&RICE 2012」(ソリアートセンター/韓国チョンジュ)

2014年

「続 京都日本画新展」(美術館「えき」KYOTO/京都) 同’ 15

2015年

「琳派400年記念 新鋭選抜展 ~琳派の伝統から、RIMPA の創造へ~」(京都文化博物館)

2016年

「琳派400年記念 新鋭選抜展- 琳派 FOREVER-」(京都文化博物館)
「第22回 尖展」招待出品(京都市美術館)

2018年

「京都府新鋭選抜展2018 ‒ Kyoto Art for Tomorrow -」 (京都文化博物館)
「第7回東山魁夷記念 日経日本画大賞展」(上野の森美術館/東京)
「新進芸術家選抜展 FAUSS」(アーツ千代田3331/東京)

2020年

「京都 日本画新展2020」奨励賞・京都市長賞(美術館「えき」KYOTO /京都)

2021年

「第8回東山魁夷記念 日経日本画大賞展」(上野の森美術館/東京)
「第8回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展」準大賞(豊橋市美術博物館/愛知)

主なアートフェア

2016〜2019年

アート台北(台北世界貿易中心展覧大楼一館, 台北)

2017〜2022年

アートフェア東京(東京国際フォーラム, 有楽町)

2018〜2019年

ART OSAKA(ホテルグランヴィア大阪, 大阪)

開催概要

事前予約不要でどなたでも無料で作品を鑑賞いただけます。
ぜひこの機会にアートを身近に感じてください。

名称山本雄教展 ○○○○円の芸術家
会期銀座店:2022年5月11日(水)~5月25日(水)
大阪店:2022年6月10日(金)~6月22日(水)
作家
在廊日
銀座店:2022年5月11日(水)~13日(金), 21日(土),23日(月),24日(火)
大阪店:6月10日(金)
※各日午後に在廊予定です。
※在廊日・時間は変更となる可能性があります。
場所至峰堂画廊 銀座店
至峰堂画廊 大阪店
休業日日曜日
営業時間銀座店:10:00〜19:00
大阪店:10:00〜18:00
入場・
観覧料
無料
主催至峰堂画廊

新型コロナウイルス感染拡大防止について

東京メトロ銀座線・丸の内線 銀座駅徒歩5分

至峰堂画廊 銀座店

Osaka Metro御堂筋線 淀屋橋駅徒歩6分

至峰堂画廊 大阪店

山本雄教展

〇〇〇〇円の芸術家

YUKYO YAMAMOTO - Artist of ○○○○ yen -

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