山田啓貴展

受胎告知

Keiki Yamada - Annunciation -

会期

作家在廊日

場所

山田啓貴「天使の声は聞こえる」73×162cm絵のみ軽量版

この2年ほどの間に、人がいるべき場所にいない風景をさまざまな所で目にしてきました。
その度に、虚無感を感じつつも、むしろ人々が以前に行っていた会話ややり取りを思い出していたのではないでしょうか。そこでは、それぞれが記憶を思い起こしながら、その空間を見つめていたはずです。なんともヴァーチャルな世界を頭の中で作り出せる能力があることを実感できたとも言え、現在はまたヴァーチャルになった空間をリアルに作りたいという欲求で満たされてきた気がします。

そしてあらためて現在、レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知と対峙したときに感じる清らかな空間に、何を見出すでしょうか。聖告が行われたこの空間には遠くにシナイ山が見えています。ガブリエルはあちらから羽ばたいて来たと思います。

私は普段、油絵が描かれ始めたルネッサンス時代の技法を使って、身の回りの情景を描いています。現代アートには、しばしばあるものを消し去ったり、他のものに置き換えたりという手法が見られます。世界中で人がいなくなる光景が見られたことは、その手法が確実に人々の発想力を促すことになったはずです。

山田啓貴「天使の声は聞こえる」73×162cm絵のみ軽量版

「天使の声は聞こえる」

山田啓貴

油彩・テンペラ
73.0×162.0cm

劉生は日本人の油画を求めた第一人者であると考えています。日本の風景や、身の回りにある普段の視線、お茶の間の空気を隠すことなく正直に描き残した姿勢は、当に日本人の実直な気質そのものです。

野暮ったさすら感じる、人によってはデロリとまで言わしめたその重たい筆致に込められたものは何だったか。そこには、日本の油画を背負って立たなければいけないという気概があると思います。追随する後進たちへのメッセージが多く込められていると思うのです。

そして、その言葉に反応してしまった自分がいることにいつも悩まされます。聞こえたのだから仕方ない。ありがたくその意志を引き継ぎ、今こそ日本の油画とは何かを定義づけ、世界に知らせていきたいと思います。

山田啓貴「和風な静物画」10F 絵のみ2 軽量版

「和風な静物画」

山田啓貴

油彩・テンペラ
45.5×53.0cm

岸田劉生「六月風景」6F 油彩trim

「六月風景」

岸田劉生

油彩
30.6×40.0cm

山田 啓貴

Keiki Yamada

展覧会の見どころ

古典絵画技法で描かれるモチーフ

テンペラと油彩を用いた古典絵画技法で精緻な作品を描き上げます。ルネッサンス時代の絵画に用いられたこの技法には、500年以上を経た現在でもその鮮やかさが保たれています。現代を生きる作家が古典技法で描き出すのは、今を生きる私たちにとって身近なモチーフばかりです。

誰も居ない空間から見えるもの

山田の「天使の声は聞こえる」の作品には、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「受胎告知」(1472~1475年頃)に本来描かれているはずの聖母マリアと大天使ガブリエルの姿が見えません。
そこに居たはずの気配を感じ取るか、これから起こるであろう出来事を読み取るか、鑑賞者に様々な場面を想起させます。
それはコロナ禍において人のいない空間を目にすることが増えた現代で、過去の思い出を振り返るのか、これからのことに思いを馳せるのかにも繋がっていくのかもしれません。
古典絵画そのものを用い現代を表現することで、後世の古典たらんと挑み続ける山田啓貴の世界をご覧下さい。

近代絵画との共演

本展覧会では、山田啓貴が影響を受けた作家の一人である岸田劉生の作品も併せて展示いたします。劉生は、デューラーなどの北方ルネッサンスの細密な写実絵画から影響を受け、「内なる美」の表現を突き詰めていきました。山田もまた、その静かな画面には対象のみならず、そこに秘められた情景や記憶をも描き出します。
近代絵画と現代絵画の繋がりをご覧いただきながら、時代を超えた表現を残すべく挑み続ける作家たちの魅力をご堪能下さい。

展示作品

天使の声は聞こえる

油彩、テンペラ
73.0×162.0cm

和風な静物画

油彩、テンペラ
45.5×53.0cm

北海道発の静物画

油彩、テンペラ
45.5×53.0cm

あの時の伝言

油彩、テンペラ
91.5×124.6cm

肌色が多い絵具箱を見つけた

油彩、テンペラ
72.7×50.3cm

幸せの果実

油彩、テンペラ
53.2×41.1cm

家族との時間

油彩、テンペラ
53.2×41.1cm

空に向かう旅

油彩、テンペラ
24.2×33.3cm

数を覚えたいいもの

油彩、テンペラ
24.2×33.3cm

りんごより好きなりんご味

油彩、テンペラ
18.0×18.0cm

うまく開けられるといいことがあります

油彩、テンペラ
18.0×18.0cm

開闢の時

油彩、テンペラ
162.0×70.0cm

心舞う灯り

油彩、テンペラ
145.0×145.0cm

立派になった二人

油彩、テンペラ
25.4×45.3cm

山田 啓貴

Keiki Yamada

山田先生 カタログ用顔写真

略歴

1978年

北海道苫小牧市生まれ

2002年

多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業

2004年

多摩美術大学大学院美術研究科修了

主な個展

2006年

空と存在~Being and Empty (ギャラリー椿GT2, 京橋)

2007年

Mr.Watermelon (ギャラリー椿GT2, 京橋)

2012年

語りかける静物画 (Bunkamura box gallery, 渋谷)
-描かれた時間- (伊勢丹新宿店本館アートギャラリー, 新宿)
-存在と記憶- (西武池袋本店, 池袋)

2018年

-記憶との対話- (Bunkamura box gallery, 渋谷)

2020年

-アーケード街の風景- (大丸札幌店, 札幌)
山田啓貴展 おうち時間から見えてきたもの ─ Era with COVID-19 (至峰堂画廊, 銀座)
山田啓貴展 ~ アーケード街の風景 ~ (至峰堂画廊, 大阪)
山田啓貴展 ~ Dining room ~ (嘉俬房& other Art things, 台北)

主なグループ展

2011年

The Lounge (Bvlgari Tower Ginza 8F, 銀座)
Nomadic Circus Troupe ~サッポロ未来展(北海道立近代美術館, 札幌)
空間は記憶する。(NICHE GALLERY/銀座)
時を超える美~東京アートアンティーク (平野古陶軒, 京橋)
Heirher Dorthin -あちらへ、こちらへ-(ドイツ文化会館/ ドイツ大使館, 赤坂)

2012年

2:46 and Thereafter (Edison Place Gallery, WashingtonD.C., ワシントンDC)
2:46 and Thereafter bis. (青山迎賓館 T&G,青山)
画材から見るそれぞれのかたち(上野の森美術館, 上野)
It‘s ART O’CLOCK(CNIT Paris La Défens/ Gallery Coexist Tokyoブース, パリ)
Magnetic Field Resonance -磁場共鳴-(Gallery YUKI-SIS, 浅草橋)

2013年

えねるぎぃ ふぉー あす– アーティストの視点– (代官山ヒルサイドフォーラム, 渋谷)
Dandans, a collective of emerging Japanese artists (Browse & Darby Gallery, ロンドン)

2014年

“Thinking of ENERGY” from the experience of FUKUSHIMA (ドイツ外務省, ベルリン)

2015年

ペコちゃん展 (平塚市美術館, 平塚)

2019年

NITTAN ART FILE3:内なる旅~モノに宿された記憶(苫小牧市美術博物館,北海道)

主なアートフェア

2010~2022年

アートフェア東京(東京国際フォーラム, 有楽町)

2015~2019年

アート台北(台北世界貿易中心展覧大楼一館, 台北)

開催概要

事前予約不要でどなたでも無料で作品を鑑賞いただけます。
ぜひこの機会にアートを身近に感じてください。

名称山田啓貴展 受胎告知
会期銀座店:2022年5月27日(金)~6月10日(金)
大阪店:2022年6月27日(月)~7月9日(土)
作家在廊日銀座店:5月27日(金)~28日(土),6月9日(木)
※在廊日は変更となる可能性があります。
※大阪店の在廊日時は決まり次第お知らせいたします。
場所至峰堂画廊 銀座店
至峰堂画廊 大阪店
休業日日曜日
営業時間銀座店:10:00〜19:00
大阪店:10:00〜18:00
※5月27日のみ21:00まで開廊
入場・観覧料無料
主催至峰堂画廊
参加

※銀座店のみ

新型コロナウイルス感染拡大防止について

東京メトロ銀座線・丸の内線 銀座駅徒歩5分

至峰堂画廊 銀座店

Osaka Metro御堂筋線 淀屋橋駅徒歩6分

至峰堂画廊 大阪店

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受胎告知

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