陶芸彫刻
中嶋草太展
- 土塊と祈り -
ceramic sculpture
SOTA NAKASHIMA - Lump of Earth with Grace -
会期
- 2025年12月6日(土)~12月20日(土)
作家在廊日
- 2025年12月6日(土),7日(日)
場所
- 至峰堂画廊
一貫して「生命の循環」を軸とした陶磁器による作品制作を続けています。
地球の循環の中で生成されてきた土をつかい、動物の骨や植物の種子など、始まりと終わりを示唆する形態や生き物からインスピレーションを受け造形しています。
土の中に眠る生命の記憶を掘り起こすように制作した作品を通して、想いを巡らすきっかけになればと思っております。
中嶋 草太
Sota Nakashima
展覧会の見どころ
「土塊と祈りⅢ」
陶土、原土、灰、ガラス、釉薬
W30×D30×H65 (cm) 2025年
「生命の循環」というテーマ
自然の中で動物が死に絶えると、朽ちて様々な生き物に分解され土に還ります。そこから芽が出て成長し、やがて葉をつけた樹木も枯れて、土の養分となり繋がっていきます。
私たちが扱っている粘土も数万年から数百万年かけて岩石が変質して出来ています。岩石自体も長い目で見れば循環しているといえます。こうした土や生き物の循環をテーマに骨や種、朽ち木といった終わりや始まりを示唆するモチーフを扱い制作しています。
作品では現実にありそうで起こりえない現象を具現化し、骨や倒木といった朽ちゆく姿と器の長く残り続ける特徴を混在させています。作品から鑑賞者に現実と非現実の狭間を感じてもらい、土という素材、自然、生き物、人、循環などを考える窓口になれば幸いです。(中嶋 草太)
「陶芸彫刻」の焼成方法
「土塊と祈りⅢ」
陶土、原土、灰、ガラス、釉薬
W30×D30×H65 (cm) 2025年
くり抜き成形による造形と原土や釉薬を生の生地に擦り込んだり、塗りこんだりして表情をつけ、一度の酸化焼成にて焼き上げています。
具体的には、まず無垢の状態で全体の造形を進めていきます。この時に使用する粘土は完成後のイメージに合わせ、複数の粘土を使い分け、ベースの土にもあらかじめ鉄分を多く含む原土を適量混ぜ合わせて使用しています。
造形がある程度定まってきたら粘土の適切な乾燥具合を見計らって、一部をカットし、そこから中の粘土をくり抜いて空洞にします。その後、造形を仕上げつつ乾燥させていきます。
全体がしっかりと乾燥したのち様々な原土を水で溶き、表情付けをします。また、この際に部分的に釉薬を塗って質感の違いを与え、豊な表情のグラデーションやレイヤーを意識しながら作業を重ねていきます。そして、乾燥をさせた状態で焼成をし、焼き締めて完成です。(中嶋 草太)
「土塊と祈り」
「土の祈り子」
陶土、原土、灰、釉薬 2025年
今回これまでの流れの中に人の要素を取り入れたいと思いました。
日本人のルーツとなる縄文人、その時代の中で土偶は未だ謎に包まれていますが、日本で最も古くに生まれた直接的な用途を持たない「祈りのオブジェ」とも呼べると思っています。人の意識から創造されたそれは、自然の織りなす美しさとは違った魅力を持ち、過去のおもいを乗せ、現代の私たちにも繋がっていると感じます。
私自身が作る作品も祈りの行為であると、土と向き合い制作する中で感じています。
今を生きている自分が古来に創造された形と現在の自然、人間を交えた世界から感じる思いを祈りの行為として織り交ぜた作品です。(中嶋 草太)
1996年愛知県生まれ。
2023年愛知県立芸術大学大学院美術研究科陶磁領域修了後、金沢卯辰山工芸工房入所。
「生命の循環」を一貫したテーマに置き、骨や種、朽ち木といった終わりや始まりを示唆するモチーフを扱い、陶芸彫刻という新たなジャンルで作品制作を続ける。現実にありそうで起こりえない現象を具現化し、骨や倒木といった朽ちゆく姿と陶器の長く残り続ける特徴を混在させている。現実と非現実の狭間を感じてもらい、土という素材や自然、生き物、人、循環について思いを巡らす契機を鑑賞者へ投げかける。
略歴
1996年
愛知県出身
2021年
愛知県立芸術大学 美術学部デザイン・工芸科陶磁専攻 卒業
2023年
愛知県立技術大学大学院 美術研究科陶磁領域修了
金沢卯辰山工芸工房 入所
主な個展
2022年
「動物の骨を土でつくる中嶋草太の『陶骨展』 」(虚屯/福岡)
2023年
「中嶋草太 陶展 -古へ語り-」(あべのハルカス近鉄本店アートギャラリー/大阪)
「中嶋草太展『惑星 -土の記憶-」(至峰堂画廊/東京)
2024年
「中嶋草太展 -種のかたち-」(日本橋髙島屋S.C.アートアベニュー/東京)
2025年
「中嶋草太 陶展 -土と生命の記憶-」(あべのハルカス近鉄本店アートギャラリー/東京)
「陶芸彫刻 中嶋草太展 -土塊と祈り-」(至峰堂画廊/東京)
主なグループ展
2023年
「KOUGEI Art Fair Kanazawa 2023」(Hyatt Centric Kanazawa/石川)
「第10回菊地ビエンナーレ展」(菊池寛実記念智美術館/東京)
「現代作家茶碗特集」(日本橋三越/東京)
2024年
「ART FAIR TOKYO 2024」(東京国際フォーラム/東京)
「金沢卯辰山工芸工房研修者作品展」(金沢21世紀美術館/石川)
「つち・かたち・いのち」(ウサギノネドコギャラリー/京都)
「ラビット・ドラゴン・マウン展」(髙島屋京都店/京都)
「KOUGEI Art Fair Kanazawa 2024」(Hyatt Centric Kanazawa/石川)
「THE HEADLINERS 2024」(茨城県陶芸美術館/茨城)
2025年
「ART FAIR TOKYO 2025」(東京国際フォーラム/東京)
「金沢卯辰山工芸工房研修者作品展」(金沢21世紀美術館/石川)
「誘惑するかたち」(ギャラリーヴォイス/岐阜)
「中嶋草太×森安音仁 二人展『跡を刻む』」(山の上ギャラリー/石川)
「ART TOYAMA 2025」(大和富山店/富山)
「アトリエヒロ開廊十周年記念 Extinct Animals」(アトリエヒロ/大阪)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」(マリンメッセ福岡/福岡)
「WHATZ CONTENPORARY ART FAIR Hong Kong 2025」(香港)
受賞歴
2023年
第10回菊地ビエンナーレ 入選
2024年
第80回金沢市工芸展 金沢市工芸協会会長奨励賞
開催概要
事前予約不要でどなたでも無料で作品を鑑賞いただけます。
ぜひこの機会にアートを身近に感じてください。
| 名称 | 中嶋草太展 -土塊と祈り- |
|---|---|
| 会期 | 2025年12月6日(土)~12月20日(土) |
| 作家 在廊日 | 2025年12月6日(土),7日(日) |
| 場所 | 至峰堂画廊 |
| 休業日 | 2025年12月14日(日) |
| 営業時間 | 10:00〜19:00 |
| 入場・ 観覧料 | 無料 |
| 主催 | 至峰堂画廊 |
東京メトロ銀座線・丸の内線 銀座駅徒歩5分
至峰堂画廊
陶芸彫刻
中嶋草太展
- 土塊と祈り -
ceramic sculpture
SOTA NAKASHIMA - Lump of Earth with Grace -