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アートフェアアジア福岡2024 九州出身物故巨匠と現代作家

アートフェアアジア福岡2024に出展いたします。
日本近代洋画の礎を築いた画家たちは福岡を中心に九州から多く輩出されています。明治新政府の政策を薩摩藩や佐賀藩の志士が主導し活躍していたように、黒田清輝(薩摩藩)、藤島武二(薩摩藩)、岡田三郎助(佐賀藩)らは洋画の黎明期を牽引し日本における洋画の立場を確かなものへとしていきました。
また、久留米の吉田博は太平洋画会設立に活躍し、黒田清輝率いる白馬会と日本のあるべき洋画について真剣な闘いを繰り広げました。さらに福岡出身の坂本繁二郎、古賀春江は、既存の枠を超えた自己表現の追求をもって日本洋画の可能性を広げていきました。

今展では、こうした福岡・九州を代表する近代洋画巨匠たちの稀少な作品とともに、現在活躍する作家たちの制作したオマージュ作品を展覧します。日本文化としての「洋画」の発展とともに、自覚し、見直され、洗練され、継承されてきた日本人のもつ美的感覚を、出品作品を通じ感じとっていただければ幸いです。

山田啓貴 -日本人が油絵を描く-

山田啓貴「復活の祈り」 油彩・テンペラ 4F

油絵の歴史において九州出身の画家たちが残した作品群は、我々にとっても大きな存在と言え、その影響化にあった世代への橋渡しをするように、日本人の描く洋画という形を示してくれた。私にとってもそれは同じで、大学で学んだ松本英一郎もその一人だ。先生が描く空間に惚れ、生き様を見せてくれた。
西洋画を多く学び日本人としての解釈で答えを出していく手法は現代にも強く残っている。

今回出品する2点。「復活の祈り」と「先人たちも学んだ金魚」。

西洋画を学ぶときに、何を食べていたのか。という疑問は常に出てくる。「何を食べていたらこういうものが描けるようになるのか」といつも不思議に思うが、所詮は同じ人間だろう。という言葉も同時に芽生えてくる。彼らにできたのだからとも考える。生きて行くために不可欠な「塩」はどこにあっても神聖なもので、かつ共通性としてニュートラルに存在している。何事にも囚われなく絵画世界の構築にのみ集中できるモデルとして描いた。日本人の心としての山をモチーフにして。

西洋の画家の中で誰がいいとか、すごいとかを通り越して存在するアンリ・マティス。絵画界に示してくれたものはとてつもなくも大きい。
数々の名画がある中でも「金魚」が世界中に与えた力は絶大であると思う。

山田 啓貴

山本雄教 -Face to face-

今回「Face to face」と題した新作は、コインのフロッタージュによって九州にまつわる画家たちの肖像と、彼らによって描かれた女性像を描いています。
絵画作品の人物像は、女性をメインに描かれたものが多数を占めます。一方、その絵画を描いた画家のほとんどは男性です。描かれる女性と、描く男性、そんな構図はどこか偏りも感じます。
一方で、誰もが知っている絵画も、その作者の顔はなかなか思い浮かべられません。描かれる女性、描く男性という関係性は、時間が経つほどにその主導権が逆転しているのかもしれません。
「1080円の芸術家」「1080円の女」というように、同じ硬貨の枚数によって描かれ、同じ価値の絵画作品として並んだ顔と顔。ぜひ会場で皆さんにも対面いただけましたら幸いです。

山本 雄教

●招待者のみ
9月19日(木)13:00 – 19:00

●パブリックビュー
9月20日(金)11:00 – 19:00
9月21日(土)11:00 – 19:00 
9月22日(日)11:00 – 18:00

●会場
福岡国際センター 福岡県福岡市博多区築港本町2-2
至峰堂画廊ブース W18

●入場料
前売2,500円 / 当日3,000円(税込)

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